モリタ食材開発研究所(大阪市)は、米飯の食味を向上させる「味譜 米一番」を商品化した。穀物類を原料とする発酵調味液をベースにしたもので、備蓄米や海外産を含むコメのほか、雑穀米やもち米、それらを原料にした加工品などへの使用を提案する。 同社では、コメ1合当たり同商品を7.5g加え炊飯したものと、そのまま炊飯したものを比較し検証。炊き立ての米飯では、水分率はいずれも60%程度と変わらなかった。炊飯器で保温した翌日も大きな変化は見られなかったが、2日後には炊飯しただけのものは水分率が41%まで低下し、色は全体的に黄色く固くなった。これに対し、同商品を加えたものは60%の水分率を保ち、表面は黄色っぽくなったものの柔らかさと旨味は残ったままだった。 守田勝雄社長は「これまでは産地や銘柄で差別化が図られていたが、従来通りコメを入手するのが難しくなっている。同時に様々なコストも上がる中、味で差別化を図ることがより重要になると考え開発に至った」と話す。 同社はこれまで加工食品や惣菜など様々なメーカーに対し既存商品の味や香りを改善する技術提案を行ってきた。今回はコメを原料に使う食品メーカー、米飯を使用するセントラルキッチンや飲食店などへ向け提案する考えだ。 「おいしく食べ切ることがSDGsにもつながる」(守田社長)としている。 |