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醸造もろみを健康食品素材へ
-大和一酒造元-
アミノ酸・食物繊維が高含有



 重曹水(温泉水)をベースに米焼酎などを手がける大和一酒造元(熊本県人吉市、下田猛代表)は、焼酎の醸造工程中に生じる醸造もろみの有効利用に取り組み、このほどアミノ酸や食物繊維を豊富に含む粉末化に成功、健康食品素材として近く商品化に乗り出す。独自の技術で米由来の醸造もろみに含まれる栄養成分を損なうことなく、アルコール分を分画除去し、発酵物独特の風味と旨味、ほのかな酸味を有する素材に仕上げた。粉末中にアミノ酸40%、食物繊維15%、クエン酸などの有機酸を4%含んでいるのが特徴。


 モリタ食材開発研究所(大阪市城東区、守田悦雄社長)と共同で、タブレットをはじめ、和菓子などの加工食品や洗顔石鹸・パック向けなどに提案し、多方面での可能性を探っていく。


 醸造もろみは、アルコール分離後、一部家畜飼料などに利用されていたものの、大半は産業廃棄物として海洋投棄されてきたのが現状。しかし、ロンドン条約により’07年にも海洋投棄が全面的に禁止されるため、焼酎業界全体の大きな課題として、リサイクルを目的とする様々な取組みが行われている。今回の新素材はこうした取組みの一環として開発されたもの。これまで培った技術ノウハウを駆使して粉末化プラントを完成し、醸造もろみの各種加工食品、化粧品用途などへの利用を実現した。


 特にアミノ酸総量は全体の40%でバランスよく豊富に含んでおり、100g中の組成はグルタミン酸6.14g、アスパラギン酸3.46g、アラニン2.79g、アルギニン2.76g、ロイシン2.66g、バリン2.11g、プロリン2.09gなどとなっている。そのほか食物繊維は14.2g、クエン酸は3.35g、リンゴ酸は1.00g含有しており、エネルギーは373kcalである。


 独特の呈味・旨味を活かした商品設計のほか、賦型剤を使用しないタブレット化もでき、あらゆる分野に応用可能。食品用途へのアプリケーションの体制を整えるほか、さらに産学協同研究による焼酎の醸造もろみの栄養生理学的研究などにも取り組んでいく。


食品化学新聞 2005年(平成17年)9月15日

新製品・新技術開発・新規事業戦略を支える知恵袋会社(株)モリタ食材開発研究所
 
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