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塩からさ抑える技術開発
~産地で味の区別化可能に~

2009年(平成21年)12月8日(火曜日) 大阪日日新聞

 塩の精製工程でハーブから抽出した特定の成分を加えることで、塩からさを抑えることのできる加工塩技術を開発した。成分や色、香りを変化させることなく、塩からさだけを抑えるため、成分組成などで海水摂取地のブランド化が進む中、産地によって味の区別化が図れるようになる。製法は現在、特許出願中といい、すでに複数の製塩メーカーから問い合わせが入り始めている。


 通常の塩に比べて、塩からさを3割程度(個人差あり)抑えることに成功した。塩は調理に必須の調味料だが、塩からさを抑えることで、食品の甘みやうまみなど他の味覚を際立たせる効果も期待できるという。


 家庭にある「食塩」は化学合成添加物で塩からさを抑えたものが多いが、この技術は植物性成分を利用。精製工程でハーブ抽出物を加えるだけなので、製塩メーカーに新たな設備投資の必要もない。

 塩からさを抑える成分は、植物研究の過程で発見したというが、どの条件下で塩に添加することで最も効果が得られるのかを突き止めるにはさらに時間を要した。守田悦雄社長は「約1年をかけて、ようやく鋭角的に感じる塩からさをソフトにすることに成功した」と振り返る。


 1971年には、砂糖の300~450倍の甘みを持つ南米産の植物「ステビア」を、国内に初めて導入。カネボウ食品(現クラシエフーズ)「プレイガム」や大塚製薬「ポカリスエットステビア」などステビア葉を使った商品が発売されたことに伴い、ステビアは一気に普及した。


 独自の味作りにこだわってきた守田社長は「戦後は甘いものが好まれたが、いまは減塩やカロリーオフが主流となった。これからも時代のニーズに応じた食品加工技術の提案をしていきたい」と話している。


(井上 昌之)
大阪日日新聞 2009年(平成21年)12月8日(火)掲載
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