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醸造もろみ粉末化に成功
-大和一酒造元=モリタ食材開発研究所-
廃棄物から一躍栄養食材へ

牛乳焼酎、温泉焼酎などの醸造元で知られている(資)大和一酒造元(代表 下田猛・熊本県人吉市下林町2144)は、焼酎の醸造工程の醸造もろみの有効利用に取り組み、新技術で醸造もろみに含まれるアミノ酸、クエン酸、食物繊維等の豊富な栄養成分を損なうことなく、アルコール分の分画除去およびもろみの粉末化に成功した。


 いままで、醸造もろみはアルコール分離後一部家畜飼料などに利用されていたが、大部分は産業廃棄物として海洋投棄されてきたのが現状。しかし、ロンドン条約により’07年にも海洋投棄が全面禁止されるため、ゼロミッションを目指すリサイクルが焼酎業界全体の大きな課題として様々な取り組みが試されている。


 同社は、常に斬新なアイデアを生かした個性的な焼酎を開発する中で、優れた栄養成分を豊富に含有するもろみを健康食品の素材として提供するなど試行錯誤を繰り返し、独自の技術による粉末化プラントを完成させ、実用的な方法で醸造もろみの各種加工食品、化粧品用途等への利用を可能にすることに成功した。


 同社は、(株)モリタ食材開発研究所(代表 守田悦雄、本社・大阪市)の協力を得て、タブレット化をはじめ、食品用途向けに積極的に取り組む体制を整え、さらに産学協同研究により、焼酎の醸造もろみの栄養生理学的研究にも取り組み、多方面への汎用性を模索し、資源としての活用範囲を広げて健康づくりに貢献していきたいとしている。


 これについて栄養生理学が専門の神戸女子大学院家政学研究科の梶原苗実教授は「焼酎ブームで生産量が増大し、各醸造元は醸造もろみの処理方法について苦慮しているだけに、今回の付加価値の高い商品の開発技術の確立および販売は注目される。特に芋・麦・米等の原料の違いと、各社の醸造ノウハウによって醸造もろみの成分と、その機能性にそれぞれの特徴が異なれば、その機能研究および利用した食品・化粧品に焼酎の産地ごとの個性が表れる可能性もあり、楽しみな素材である」とコメントしている。

2005年(平成17年)9月19日フードウィークリー

新製品・新技術開発・新規事業戦略を支える知恵袋会社(株)モリタ食材開発研究所